ミノルタは、かつて日本のカメラ業界を牽引する存在でした。
そのミノルタから戦後間もなく発売された日本初のセルフタイマー付きカメラ、MInolta-35 SUPERは独自の特徴を持つレンジファインダーカメラです。
当時の一眼レフカメラよりもひと回り小さく、コンパクトな仕上がりを実現させました。
倍率は0.33倍、距離計の窓は一つで一眼式を採用しており、ピントもしっかり合うので、今でも根強いファンがいます。
フィルムの巻き戻しに「芯」があり、フィルムの装填も蝶番式で背面が開くのでスムーズに行えます。
マウントにはライカLマウントを採用し、戦後に世界中で作られたバルナックライカコピーの系譜でありますが、ミノルタは独自性の強いデザインや性能を追求しており、ほかのコピーカメラとは大きく異なります。
当時は日本製ライカコピーの黄金期で、外貨獲得目的の輸出用として、多く製造されていました。
戦後の復興期を支えたMinolta-35 SUPERは、当時のミノルタが持つ技術を集約したカメラとしてだけでなく、日本の意地とプライドを世界に示した誇るべき名機です。
Lマウントのロッコールレンズと合わせて、当時の国産レンジファインダーを味わうクラシカルな一台として、ぜひおすすめしたい魅力にあふれた機種といえます。