1955年に発売された Minolta-35 MODELⅡB は、戦中から戦後にかけてドイツが誇るライカを手本とした、バルナックライカコピーの系譜にあたるカメラです。
このバルナックライカとは、ライカのなかでも古く、フィルムカメラの原型とも言われています。
ほかのカメラメーカーがライカそっくりであったのに対して、ミノルタはライカを踏襲しつつも、独自のデザインと機能美を追究して根強い人気があります。
カメラの型名はMinolta-35と刻印されているのに対して、本体に刻印されているのは「CHIYODA KOGAKU」です。
ちなみにこの当時、社名は千代田光学で、Minoltaはブランド名でした。
距離計連動式カメラとして、重量が770gと軽量で持ちやすく、シャッタースピードはB、T、1~1/500秒まで、レンズ・マウントはライカL39マウントを使用しています。
フィルムの巻き上げと巻き取りはノブ式です。
特徴的な操作として、シャッタースピードが1/25秒以下の撮影の場合、本体正面のダイヤルを回して設定します。
ファインダーは視野が広く、ピント調整が容易になっています。
さらに視度調整が付いているという優れもの。
セルフタイマーはダイヤル式で3段階に分かれ、フィルムの開閉は裏蓋の蝶番式でフィルムの装填がスムーズに行えます。
Minolta-35 MODELⅡBは、手に構えると軍艦部の美しいデザインと優れた操作性に驚かされます。
同時代に発売されたカメラの中でも、日本の技術力の高さを世界に示した名機と呼んでいい一台です。