リンホフにおいて、フィールドカメラのテヒニカシリーズと並んで高い知名度を誇る、スタジオ用ビューカメラのカルダンシリーズ。
その最上位機種がLinhof Kardan Bです。このKardan Bの「B」はBothの頭文字をとったもので、2つの主要なプロ用フィルムサイズに対応していることと、スイングとティルトの両方が使えることを意味しています。
世界中から高い評価を受けて、1968年にはライプツィヒ スプリングフェアで金賞を獲得するなど銘機として知られています。
このカメラはセンターティルト機構のみならずベースティルト機構も搭載しており、ライズは48mm、フォール30mm、センターティルト20度、ベースティルト60度、スイングは30度と非常に柔軟なアオリ機構を備えていることが特徴です。
そして、4×5in判以外にも5×7in判、8×10in判と3種類のフィルムサイズの選択が可能になっている点も評価すべきポイントです。
テニヒカシリーズで大判フィルムカメラの最高峰の座を獲得したリンホフが最高のスタジオ用ビューカメラとして満を持して世に送り出したLinhof Kardan Bは、リンホフの技術の結晶といっても過言ではないほどの完成度を誇るカメラです。
当時の定価が8×10判モデルで990,000円と非常に高価であったことから、流通量も限られており現在の中古市場でも希少なカメラとして高値で取引されています。