Kodak SUPER SIX 20はアメリカに本拠地を置く世界最大の写真用品メーカーのイーストマン・コダックが1938年に発表した620フィルムを使用する6×9判フォールディングカメラです。
Kodak SUPER620とも表記され、世界初の自動露出機能を搭載したカメラとして知られています。
その最大の特徴は、世界初の自動露出機能もさることながら、ほかでは見ることのできない斬新なデザインにあります。
このデザインはジャンボジェット機のボーイング707や747など数多くのデザインを手がけたアメリカの著名な工業デザイナーであるワルター・ドーウィン・ティーグが手がけており、デザイン性において非常に優れていました。
その反面、操作性には難がありマニュアル露出をはじめとした操作が非常にわかりにくいという欠点も持ち合わせています。
その扱いにくさもあってKodak SUPER SIX 20の販売は非常に伸び悩み、最終的に市場に出回った数は、800台に満たない数に留まっています。
しかしながら、当時としては最先端の自動露出機能を含めカメラとしての完成度が非常に高いこと、そして5枚構成で距離計にも連動していたコダック・アナスチグマット100mmF3.5というレンズの高い描写力は高い評価を得ており、現在では中判フィルムカメラの銘機と評されています。