プロのスタジオ使用で重宝されていたZenzaBronica Sシリーズの後継とも呼べるシリーズがZenzaBronica ETRシリーズです。
1976年から2004年まで製造されていた645判の中判一眼レフカメラのシリーズとなります。
1988年に発売されたシリーズ5代目のZenzaBronica ETRSiはETRシリーズでは最後の機種にあたります。
電子化が進められ、より現代的で同時代に販売されていたマミヤ645やPENTAX645に比べても、その設計は非常に先進的なものでした。
ZenzaBronica ETRシリーズ共通の特徴として、従来のZenzaBronicaシリーズのフォーカルプレーンシャッターに代わり、レンズシャッターを採用している点があげられます。
どんなシャッタースピードでもストロボと同調させることができ、スタジオ撮影では大変重宝されました。
また、標準では搭載されているウエストレベルファインダーでは露出計が使えませんが、AEプリズムファインダーに換装することで、AEカメラへと変化する拡張性にも注目です。
この当時でAEを搭載している645判カメラは他に無く、ETRSiの先進性を物語っています。
ZenzaBronica ETRSiではTTLダイレクト自動調光に対応したほか、モーター巻き上げが可能になるなど、ETRシリーズの完成形とも呼べる高い機能を備えつつ、価格は従来機よりも抑えられており、名機として絶大な人気を誇りました。
1988年発売から2004年の生産完了まで、16年の長きにわたって生産が続けられたことからも、カメラファンにどれだけ歓迎されたモデルであったかがわかります。
販売台数も非常に多く、限定モデルに30万台記念モデルと、40th記念モデルが存在しています。