ZenzaBronica Dは当初「D」の文字が付いていないZenzaBronica として発売されました。
いわゆるブロニカシリーズの元祖となるモデルで、発売は1959年頃と今から約60年前のカメラということになります。
当時としては先進的な仕組みを持っていたために「ドリームカメラ」とも称されたカメラでした。
しかし同じ中判カメラを製造していた世界的メーカー、ハッセルブラッドのデザインとよく似ていたためにハッセルブラッドからクレームが付き、早々に生産中止になりました。
それもあり現在では希少価値が上がり、中古市場では高値で取引されています。
フィルムは6×6判を使います。縦走りフォーカルプレーンシャッターを搭載しており、マウントアダプターを介してさまざまなレンズを使うことができたため、重宝されました。
ボディとフィルムバックは、巻き上げの前後を問わず自由に交換できます。
また、シャッタースピードはチャージを問わず変更でき、速度目盛はわかりやすい等間隔で装備されていました。
フィルム非装填時にはシャッターが切れない仕組み等細かな配慮がなされた大変よくできたカメラでした。
絞りは完全自動絞りで、シャッタースピードは1/1250秒まで。セルフタイマーの機構を利用して、2秒から10秒のスローシャッターも可能です。外装はステンレス鋼を採用し、高い剛性を持っています。
さすがに60年前のカメラとなると、内部機構もごく原始的なものになっており、当時としては先進的でしたが、実用面では現代のカメラには叶いません。しかし、今なお中古市場ではコレクターズアイテムとして、高い人気を誇るカメラです。