ZEISS IKON TENAX Ⅱは、高度な35mmフィルムレンジファインダーとして、1938年に誕生しました。
TENAX Ⅱのコンセプトの主な目的はスピードであり、カメラの巻き取りと焦点合わせ、そして露出の設定をスムーズかつ簡単にできることを目指して開発されています。
カメラの右側前方に取り付けられた巻取りレバーは人差し指ですばやく引き下げることができ、これはTENAX Ⅱのコンセプトを表す最たるものでしょう。
また、シャッターレリーズはウインドレバーのすぐ上に設置されており、簡単に切り替えることができますので、操作性の良さを確保しています。
距離計には2つのくさび形プリズムがそれぞれ逆方向に回転するドレーカイル方式と呼ばれるものが採用されています。
それらは、交換レンズの不可欠な部分となっており、レンズバレルの焦点合わせ機構と直接連動しています。
このシステムは、Super Ikonta、Super Nettel、Nettaxにも搭載されており、Leicaの特許を回避するために行っていたと見られます。
Tenax IIの標準レンズは1:2.8 f = 40mm Tessarです。
他にも交換レンズとして広角、望遠のものも用意されていた様ですが、非常に希少なため、現在ではまずお目にかかることはできません。
重量も比較的軽めに設計されており、汎用性が非常に高く使いやすいカメラとして高い人気を誇っています。