1968年に発売された ZEISS IKON の Hologon UltraWideは、フィルムレンジファインダーカメラとして異色を放つ存在です。
分厚く湾曲したレンズと、中央部がくびれた3群3枚構成の超広角レンズであるホロゴン 15mm F8 を装着しています。
このカメラは、フィルムのロックを解除して、フィルムをベースセクションから取り外し、従来の距離計カメラのようにフィルム交換を処理する方式を採用しています。
フィルムを巻き取るスプールは明るいオレンジ色のスライドがあり、ペンタックスオールディーズまたは旧キヤノンのPellix QL方式で展開されているマジックスライドクイックフィルムローディングデザインに似ています。
このデザインの目的としては、迅速なフィルムの装填を確実にして、容易にすることが挙げられます。
カメラのシャッターレリーズボタンに差し込むケーブルレリーズと連動したハンドグリップは、部分的にこのカメラのストロングポイントの一つとなっています。
重量がアップするという難点こそありますが、一方で手変りが良く、確実なグリップ性を確保しておりメリットの方が大きく、手の映り込み易い110度の広い画角には必須のグリップです。
ボディキャップは、合成皮革の外装と金属製となっています。
1400台という僅かな生産数の大変希少なモデルです。