弥生精工は東京都江戸川区に工場を構えカメラの製作を行っていたメーカーです。
今ではほとんど資料も残っていませんが、スタジオ用大判ビューカメラを中心にカメラスタンドやプリンターといった製品を手がけていたとされます。
ビューカメラとはレンズとフィルムを蛇腹で繋いだ形状のカメラです。
最大の特徴は、レンズとフィルムの相対的な位置関係を変えることにより、被写体との遠近によるパースの乱れを整えたり、ピントを柔軟に調節したりできる、アオリと呼ばれる機能でしょう。
弥生精工はより大きなアオリ量を得ることができる、本格的なモノレールカメラを多く手がけていました。
モノレールカメラとは一本のレールの上に独立して取り付けられたレンズ部とフィルム部、それぞれを稼働させることができるものです。
機動性は低いものの、アオリの自由度が非常に高く、主にスタジオで用いられました。
代表的なものに、BOSSY VIEW 315、BOSSY VIEW 415、BOSSY VIEW 515Dなどのモデルがあり、どれもプロユースに耐えうる本格的な性能を有していました。
BOSSY VIEW 515Dの発売時期が1980年であることから、モノレールカメラとしては、後発の部類に入るといえます。
現在では弥生精工というメーカーは残っていないものの、カメラ自体は少ないながら中古市場に出回っています。
珍しい大判モノレールカメラをお探しの方は、ぜひ弥生精工のBOSSY VIEWシリーズを検討してみてはいかがでしょうか。