安原製作所 秋月は、1998年に京セラでコンタックスブランドのカメラをデザインしていた、安原伸氏が独立して立ち上げた安原製作所による第2弾のカメラとして、2003年に誕生しました。
安原氏は、自分のアイデアに基づいたカメラを思う存分作ることをコンセプトとしており、デジカメが普及し始める前のフィルムカメラ産業が最後の輝きを見せていた時期にカメラ作りを始めます。
そんな中で生み出された35mmレンジファインダーコンパクトカメラである秋月は、さまざまな箇所で異彩を放つ、個性的なカメラに仕上がっています。
外観や材質、操作性はクラシックなフィルムカメラそのもので、オールドファンからはすんなりと受け入れられました。
その一方で、内部はCPU制御されているマルチモードカメラであり、ストロボも液晶表示されるといった、かなり攻めた設計を採用。
手動巻き上げ、手動巻き戻し、ストロボ内蔵、自動露出、マニュアルフォーカスのレンジファインダーなど、かゆいところに手が届く機能をすべて兼ね備えています。
その強いこだわりから生産台数が少なく、市場に出回った数は100台以下と非常に希少です。
しかし、秋月という和風なネーミングも魅力的で、今でも多くのファンがいる名機となっています。