1952年に発売されたVoigtlander Prominentは、メーカーが持つ独特な雰囲気をそのまま表現した、フィルムレンジファインダーカメラです。
Voigtlander自体は非常に歴史のあるカメラメーカーですが、個性的で常に攻めている印象があります。
そのため、万人受けするというよりは、プロやコアなファンに愛されているメーカーです。
このProminentというモデルでも、大きくて重く、ファインダーは小さくて見ずらいという難点がありました。
また、ピント調整がかなり高度で50mm以外のレンズのピント調整の仕組みも通常とは大きく異なっていました。
その結果、50mmの繰り出し量を35mmレンズに変換するなどの工夫もみられています。
マウントは専用バヨネットマウントでノクトンをはじめとする銘玉を楽しめるのも大きな魅力です。
リーフシャッターは、レンズを焦点面からより遠くに配置しており、Voigtlanderの最高のレンズやライカ、ニコン、キヤノンのレンズと競合することが無かったため、より個性的なカメラとなっています。
ここまでの内容は、あまり良い評判に見えないかもしれませんが、最も特徴的なのは、1/400(1/500)までストロボシンクロできる唯一のシステムカメラであるという点です。
十分な範囲でアンビエントライトとストロボライトを組み合わせるのに最適なカメラは、当時としては画期的でした。
凝った造りと重量はずっしりとしていますが、ダメージに強いというメリットがあります。