2010年に発表されたSONY α55は、様々なギミックを取り入れ、一眼レフカメラの新たな可能性を切り拓いたモデルです。
外観は一眼レフそのものですが、本来はファインダースクリーンとペンタプリズムが収納されているペンタ部に、EVFとAFセンサーを内蔵。
レフレックスミラーにおいては、固定式のハーフミラーを採用することで、一部の光をダイレクトにAFセンサーに導いています。
AFセンサーには位相差方式が取り入れられ、これはTranslucent Mirror Technologyと命名されました。
連続撮影や動画撮影においては、常に測距を行うことができ、ミラーの作動が不要なためにミラーショックがありません。
これにより、より高速な連写を実現すると同時に、ライブビュー撮影においても位相差方式のAFが使用可能になりました。
また、高速連写性とトレードオフになりがちな画質においても、α55は高い水準を維持しています。
電子水準器機能があるので、スイングパノラマなどの観光地を撮影するにももってこいのカメラです。
これだけの機能性を誇りながら、特筆すべきは軽量化を強く意識したカメラに仕上がっている点です。
ボディの重量は500gを切るため、女性でも容易に扱うことができるでしょう。
また、価格も10万円を切り、コストパフォーマンスの面でも非常に優れていました。
2012年の生産終了時には、それを惜しむ声も多く寄せられ、まさに多くの人々に愛されるカメラでした。