リンホフと並んで大判フィルムカメラの世界最高峰として知られている、スイスのカメラメーカーのジナーが創り出したスタジオ用ビューカメラがSinar Xです。
ジナーのビューカメラのフラッグシップモデルであるSinar P2の廉価版モデルにあたる4×5判のビューカメラです。
廉価版モデルとはいっても、最高峰の大判フィルムカメラに名を連ねるSinar P2の素晴らしい機能のほぼすべてを受け継いでいるため、スタジオ用ビューカメラとして十分な性能を備えています。
使用するフィルムは、4×5in大判フィルムのみで、敢えてひとつのサイズに固定することで、構造を簡潔にしてコストダウンを図っています。
アオリ機能はベースモデルであるP2の機能を完璧に引き継いでおり、非対称軸のスイングおよびティルトやヨーフリー機構など、柔軟なアオリが可能になっています。
そして、もうひとつ特筆すべき点が、アクセサリー類が、ほかのジナーシステムのカメラと完全な互換性を持っていることです。
これによってカメラが変わってもアクセサリー類をそのまま使用できるため、非常に長い期間、同じアクセサリーを使い続けることができます。
最高峰の大判フィルムカメラの廉価版という型で発表された、Sinar Xですが、その完成度は非常に高く、価格と性能のバランスが絶妙なコストパフォーマンスに優れた銘機として、現在でも多くの写真家に愛用されているカメラです。