大判カメラを語る上で、決して欠かすことができないスイスの名門カメラメーカーであるジナー。
同社は数々のスタジオ用ビューカメラを発表し、その中でも最高の技術が投入されたフラッグシップモデルのひとつが、Sinar Pです。
PはPerfectionという意味で、その名前の通り完璧といえる素晴らしい完成度を誇るカメラです。
スイング軸とティルト軸に採用された画期的な非対称軸によりベースティルトアオリに加えセンターティルトアオリ機能を備えるなど豊富なアオリ機能が特徴です。
このカメラの発表以降、多くのカメラメーカーからさまざまなビューカメラが発表されましたが、プロの写真家の間では、このSinar Pでなければという声が聞かれるほど、別格の存在でした。
ジナーのカメラのなかでも非常に高い完成度と豊富な機能によって、大判フィルムカメラの頂点に君臨したSinar Pの素晴らしいコンセプトと工業製品の域を超えた精緻な作りは、その後のSinar P2や現行モデルのP3シリーズに連綿と受け継がれています。
1970年に発表されてから約50年という長い歳月を経ていますが、ジナーの高い互換性を持った最新のアクセサリーを使用することも可能で、今でも現役として十分に使用することのできる伝説とも呼べるカメラです。