
1986年、当時すでにスタジオ用ビューカメラの世界で不動の地位を築いていたジナーが発表した、一風変わったカメラがSinar C2です。
従来モデルであるSinar Cを被写体の写り込みを考慮してブラックボディに改良したモデルとして開発されました。
このカメラの名前のCは「Conbination」の意味で、その名のとおり、ジナーの小型軽量なフィールド向けカメラのジナーFと、豊富なアオリ機能や高い完成度でビューカメラの最高峰と言われるフラッグシップモデルのジナーP、それぞれの前フレームと後フレームを組み合わせた特殊な構造が特徴です。
両方の良い部分を組み合わせており、同時期に発売されていたジナーP2よりも軽く、ジナーF2よりも機能性に優れていました。
そのため、移動をして撮影を行うことの多いプロの写真家の中には、携行性を優先し、あえてP2ではなくC2を選ぶ写真家も存在しました。
ジナーのカメラでも特殊な位置づけのSinar C2ですが、ほかのジナーのカメラ同様、さまざまなジナー製アクセサリーを使用することが可能です。
現在の中古市場での流通量は少ないですが、比較的手ごろな価格で手に入れることができるので、入門機としてもおすすめできるカメラです。