1981年12月に発売された西ドイツ社の超広角カメラ「PLAUBEL 69W Proshift」は、手持ちサイズを可能とした6×9判の中判カメラとして、世界で初めてアオリ撮影を可能としたカメラです。
レンズはシュナイダー製の47ミリF5.6レンズが組み込まれ、35ミリ判に換算すると21ミリに相当する超広角レンズです。
建築写真などに必要なアオリ撮影の際は、イメージサークルをフルに使うため、どうしても画面の周辺光量の低下が目立ちます。
これを解消するために「イメージセンサー」を使い、画面中央の明るさを抑えて周辺部の明るさとのバランスをとります。
また、カメラの重量が1600グラムと軽いため、それまでのアオリ表現に必要な大判カメラのような三脚がなくても撮影ができる優れたカメラです。
印象的な赤色のケーブルレリーズも付いているため、もちろん三脚を使った長時間露光撮影にも対応しています。
使用フィルムは120ロールフィルムの8枚撮りと220ロールフィルムの16枚撮りです。
フィルムの巻き上げはレバーを採用した二重撮影防止機構が付いています。
フィルムフォルダーはマミヤファンにはおなじみのロールフィルム3型を使用し、本体とグリップの持ちやすさに定評があります。
機能性と用途が広い「PLAUBEL 69W Proshift 」は、販売台数が少なく、中古市場でも滅多に見かけない貴重な機種です。
ファンにとって、手に取ってみたいと思わせる魅力に溢れたカメラなのです。