1982年に発表されたPlaubel makina W67は、カメラのドイで有名なドイ・インターナショナルの創業者である、土居君雄氏が世に送り出した伝説の中判フィルムカメラ「Plaubel makina 67」の広角レンズ専用モデルです。
マキナ67のレンズはニッコール80mmF2.8を装着していますが、このカメラではワイドニッコール55mmF4.5という、35mm判で28mm相当の広角レンズを装着していることが特徴です。
このレンズは、シャープさと柔らかさを兼ね備えた描写力で、高い評価を得たニッコール80mmF2.8にも劣らない素晴らしいレンズです。
解放のF4.5では若干の周辺光量落ちが見られるものの、F5.6以降では非常にキレのある高繊細な描写をすることが可能です。
広角レンズを採用しているため、GPD素子使用の内蔵露出計の測光角は20度となっており、マキナ67の倍の広がりを持っていることも特筆すべき点といえるでしょう。
蛇腹の繰り出しはマキナ67よりも若干短くなっていますが、6×7㎝のフィルムサイズや折りたたむと厚さが約7.5㎝というコンパクトなボディなどは変わっておらず、計算し尽くされた素晴らしい操作性と機能性は健在です。
生産台数が3500台ときわめて少ないことと、カメラ自体の完成度の高さがこのカメラの市場価値を高めており、中古市場でも非常に高値で取り引きされています。