伝説の中判レンジファインダーカメラといわれるPlaubel makina67の発表から約6年後の1984年にPlaubel makina67の改良版として発表されたカメラがPlaubel makina670です。
大きく変更された点は、従来のモデルが120フィルムのみ使用可能であったことに対し、このカメラでは120フィルムだけではなく220フィルムも使用可能となった点です。
レンズはPlaubel makina67の最大の魅力でもあったニッコール80mmF2.8が引き続き採用されており、35mm判で40mmという独特な画角と、シャープさと柔らかさを兼ね備えた素晴らしい描写力は健在です。
220フィルムに対応したことにより、従来モデルの1250gに対して1345gと若干重くなってしまいましたが、それでも中判レンジファインダーカメラの中では軽量であり、蛇腹によって折り畳みが可能なボディも相まって非常にコンパクトで取り回しのしやすいカメラです。
カメラのドイの創業者である土居君雄氏がこだわりぬいて完成させたPlaubel makina67の後継機として期待されたPlaubel makina670も、その完成度の高さから当時は高い人気を誇りました。しかし、製造委託先であったマミヤ光機の倒産によって発表から約3年という短い期間で製造中止に追い込まれてしまいました。
そのため、製造された台数が約4000台と非常に少なく、現在の中古市場においては正常に稼働する個体数も少ないため、非常に希少価値の高いカメラとして高値で取り引きされています。