
2002年に発売されたPHASE ONE H10は、LightPhaseの後継機として誕生しました。
これは、デンマークに本社を置くPHASE ONE社の経営戦略により、このHシリーズの開発が決まったのです。
センサーは、フィリップス製で600万画素CCDを搭載しており、この仕様自体は全て前機のLightPhaseと同じです。
H10にはモニターがなく、ISO感度は50/100、1.5sec/コマ、Lens倍率x1.65倍というスペックです。
これがH10の前期型と呼ばれるモデルです。
その後、後期型と呼ばれるモデルが発売され、画素数が1,100万画素と大幅に上がり、これは後に発売されたH101への布石となりました。
センサーは前期型で採用されたフィリップス製を継続しましたが、生産地をオランダからカナダへと移しました。
1mm以下の僅かな差ではありますが、前期型よりもセンサーが縦横に少し大きくなり、デザインのこだわりを感じます。
また後期型になるとマミヤ用とコンタックス用が発売されました。
撮影した写真はCFカードスロットがないため、FWケーブルを使ってPCへと画像を転送します。
バッテリー装備もないため、PC側から電源を供給して駆動することになるので、撮影時はPCと連結してある必要があります。
本体モニターがない代わりに、PCでプレビューを確認します。
今では懐かしい、一手間かかるデジタルパックPHASE ONE H10は、中古市場にはあまり出回っておらず、かなり入手困難なシリーズとなってしまいました。
現在まで続くデジタルバックの技術の根幹がたくさん詰まった、懐かしくも貴重で優れた1台といえます。