
OLYMPUSの技術のすべてを終結させて作られた「OM-3」は、驚くほど人気のカメラであり、生産終了後も復活を望む声がOLYMPUSに寄せられていました。
カメラ愛好家たちの声に応えるべく、OM-3の復刻版として1994年に発売されたのが『OM-3Ti』です。
OM-3Tiは、機能性の高いOM-3を単に復刻しただけではありません。
外装をチタンカバーに変えることでアルミの6倍の強度を実現したほか、耐蝕性や耐熱性も向上させています。
そのうえ、Tシリーズストロボによるダイレクト測光を可能にし、最速1/2000秒もの全速同調ができるスーパーFPシンクロ機構を搭載するなどストロボ撮影におけるスペックも向上したのです。
また、OM-3には見られなかったTTL自動調光機能も内蔵されています。
OLYMPUSのOMシリーズのなかで、TTL自動調光設定でシャッター速度が自由に選べる機種はOM-3Tiだけなのです。
AF一眼レフが全盛の時代において完全なMFメカニカル一眼レフで、マルチスポット測光システムの採用は冒険的なものでした。
しかし、逆にそのクラシカルな魅力が多くのカメラファンに支持されたのです。
さらに、セルフタイマーを省略させた点もプロカメラマンたちの心を掴みました。