電子制御のシャッターが登場し始めると、それに反発するようにカメラ愛好家たちのあいだでは機械式のシャッターを求める声が強まります。
というのも、当時の電子シャッターは信頼が得られず、電池が切れてしまうことで撮影が不可能になっていたのでした。
OLYMPUSからも、電子制御のシャッター機能を持ったカメラは発売されていましたが、カメラ愛好家の期待に応えるべく、1984年に機械式の一眼レフカメラである『OM-3』を送り出したのです。
OM-3は、前身モデルであるOM-4からシャッター幕走行機能が改良され、安定した最高速1/2000秒のシャッタースピードの実現を可能にしました。
また、OM-4と同様に中央部重点測光、スポット測光が切り替えられる測光システムを採用しています。
さらに、スポット測光を選択している場合にはマルチスポットでも測光ができるようになりました。
ハイスペックな露出計を持つ機械式カメラのOM-3は、マニア好みのカメラとして評価されるようになりました。
そのため、万人受けするような人気とは言えず、OM-3は生産中止に追い込まれてしまいます。
しかしながら、生産中止後にOM-3の評価が高まり、あまりの人気から復刻版であるOM-3 Tiも発売されることとなりました。
中古市場だけでしか手に入らないOM-3は、状態次第ですが現在でも人気の高い一台です。