OKUHARA CAMERAは現存する資料がほぼ無く、その期限や活動期間、製品のラインナップなど、多くが謎に包まれているメーカーです。
しかし、中古市場においてはOKUHARA CAMERAの木製組立暗箱がしばしば流通しているため、ヴィンテージカメラが好きな方であれば、その存在を知っているかもしれません。
OKUHARA CAMERAの組立暗箱は非常にクラシックな造りで、八切、あるいは四切1/2サイズの撮影が可能な、やや大型の木製大判カメラです。
取り付けられた赤いプレートには“TRADE MARK OKUHARA CAMERA MFG CO.,LTD. OSAKA. JAPAN”という表記があることから、大阪のメーカーであったと考えてよいでしょう。
また、香川県立ミュージアムにOKUHARA CAMERAの同モデルが所蔵されており、その入手時期から流通したのは1930年代と予想されます。
80年以上昔のカメラが現在でも中古市場に稀に見かけることがあるのですが、ほぼ全てが同一モデルであるにもかかわらず、全くといっていいほど資料が残っていないことから、一般向けではなく写真館などの業務用に特化した、非常にポピュラーな機材だったのかもしれません。
組立暗箱はカメラとしては最も原始的と言えますが、その分現在でも十分良い写真を撮影することができます。
中古で出回るOKUHARA CAMERAの組立暗箱はほとんどがジャンク品ではあるものの、希少故に入手する価値のあるカメラです。