Nikon Mは、1948年に発売されたニコンカメラの元祖であるNikon Iに次いで、翌年1949年7月に発売されたレンジファインダーカメラです。
流通量が極めて少なく、製造台数はわずか1,643台。
その希少性の高さから、ニコンのコレクターの中では高い人気を誇っています。
以前のモデルであるNikon Iでは、「画面サイズが狭く米国市場の現像システムに合致しない」と多数のクレームが入りました。
それを受け、Nikon Mでは24x32mmから24x34mmへと画面サイズの横幅が改善されています。
また、同様に問題となっていたコマ間の間隔は、画面を通常の8パーフォレーションに改めることで改善しました。
ボディの金型とシャッターの設計上の最大限である34mmまで拡大され、現像しやすくなっている点も見逃せません。
レンズは3群7枚構成のニッコール50mmF1.5が標準装備されていたとされますが、その優れた精度は世界にニッコールの名を広めた源とも言えるレンズです。
このレンズも本体同様に製造本数が少なくレンズ単体でも価値の高いものです。
レンズ上部には、丸みを帯びたフォントが特徴的な「Nikon」のロゴがあり、更に上部には富士山をイメージした「NIPPON KOGAKU TOKYO」のロゴが刻印されています。
カメラコレクター憧れの一台ですが、製造数が少なく入手の難しい貴重な幻のモデルです。