1996年に発表されたNikon F5は、当時のNikonの技術をすべて注ぎ込み、満を持して世に送り出されたNikon最後のプロ用銀塩一眼レフカメラです。
フィルムカメラの黎明期に登場したこのカメラは非常に完成度が高く、NASAのスペースシャトル計画でも船内や船外活動に使用される程。
最大の特徴は、世界で初めて色情報と被写体までの距離を計算に含めて適正露出を行う「高精度3D-RGBマルチパターン測光」が採用された点です。
これにより、1/8000秒というシャッタースピードでも完璧な露出を導き出すことが可能になりました。
そして露出調整などをコマンドダイヤルで行えるようになった点は現在のNikonの操作体系が完成型と言っても過言ではありません。
さらに、AFもNikon F4から進化を遂げ、「5点測距・新オートフォーカス」というNikon初の多点測距のオートフォーカスが採用されました。
プロ機としての耐久性も申し分なく、防塵・防滴の堅牢なボディに加えシャッター耐久は15万回という高い耐久性を誇ります。
現在のNikon D一桁シリーズの原点ともいえるNikon F5はNikon最後のプロ用銀塩一眼の名に恥じない最高の完成度を持ったカメラです。
既に生産が終了しているにも関わらず、その高い完成度は多くの人を魅了し今なお中古市場で高い人気を誇っています。