1983年に発表されたNikon F3Pは報道機関向けに開発された特殊なカメラです。
Nikon銀塩一眼レフのフラッグシップモデルであるF3の派生モデルですが一般向けには販売されていませんでした。
その特徴は、報道機関向けに設計されたことでプロの現場では不要とされるセルフタイマーや多重露光機能などを徹底的に省いていることです。
また、外観的にはチタン製のハイアイポイントファインダーDE-5を装備しており、上部に標準規格のホットシューが装着されている点が挙げられます。
これにより、従来の F3で不評であった標準規格のストロボが使用できないという問題が解消されています。
その他、シャッターダイアルが嵩上げされたり裏蓋開閉ロック解除レバーを排除してフィルム交換をしやすくしたりするなど操作性の面でも細かな配慮がなされています。
耐久性の面でもプロの過酷な環境下に対応すべく、シャッターボタンやISO窓へのシーリングやカバー取り付けなどにより防塵防滴性能が飛躍的に向上しました。
報道機関向けに発表されたNikon F3Pですが、一般ユーザーの強い要望もあり、その後1993年に一般向けモデルであるNikon F3 Limitedが発表されることになります。
当時はプロしか入手出来なかった特別なカメラですが、現在では中古市場で比較的容易に入手することが可能な人気機種です。