「AI AF Zoom-NIKKOR 80-200mm F2.8D ED <NEW>」と名前に「NEW」がついていることからわかるように、旧タイプからのマイナーチェンジ版です。
とはいえ、見た目や使い勝手は大きく変更されています。
旧タイプが今となっては珍しいズームリングとピントリングが一体化した直進式ズームだったのに対し、これらを分けて一般的な2リング式となり、新しく三脚座も付きました。
ボディー内モーター式のオートフォーカスを採用しています。
レンズ内モーター式にしSWM(超音波モーター)を採用した最新モデルには、合焦点スピードで劣るのは仕方のないところでしょう。
ただし、ピント合わせのための駆動部分が軽くなった分、旧タイプより大幅に改善しました。
レンズ構成に大きな変更はなく、新旧とも11群16枚で、そのうち3枚にNikonが独自開発したEDレンズが採用されています。
大口径レンズほど出やすい色収差を強力に補正しています。
この焦点域のレンズは風景写真には欠かせません。
F2.8という大口径をフルに生かし枝で咲いている花にだけピントを合わせ、背景はすっかりとぼかすといったことが可能です。
また、人物写真ならばバストアップぐらいから頭の頂上とあごの先が切れるぐらいのアップまでカバーします。
しかも、ピントが合っているのはレンズに近い方の目だけで、顔面でもほかの部分はぼかすことまでできます。
このどちらも、9枚の絞り羽根による円形絞りのおかげでぼけの出方も決して不自然ではありません。
1996年10月の発売ですが、大ロングセラーとなったためにコンディションのいい中古がたくさん見つかります。
「初心者からはそろそろ抜け出したい」「中級者のつもりだけども、さらに上を目指したい」という方がまずは手に入れておきたい1本でしょう。