
AI AF-S NIKKOR 300mm F4D IF-EDが発売されたのは2000年10月で、比較の対象として最も意識されるのは4カ月後に発売された「AI AF-S NIKKOR ED 300mm F2.8D II IF」でしょう。
この「サンニッパ」の2,560グラム、最大径124ミリ・長さ268.5ミリに対し、「AI AF-S NIKKOR 300mm F4D IF-ED」は三脚座取り付け時でも1,440グラム、なしのときは1,300グラム、最大径90ミリ・長さ222.5ミリです。
サンニッパでは手持ち撮影はほぼ無理なのに対し、この「300mm F4D IF-ED」ならば可能です。
定価は60万円に対し17万5千円と3分の1もしません。
もちろん、そのままではないにしても中古での購入も大きな差があります。
1絞り分暗いために、ぼかしを利かせる点では不利になるのは否定できないところです。
しかし、高感度での写りがどんどん改善している近年のデジタルカメラとの組み合わせで使う分には、適正露出の面ではそれほど問題にならないでしょう。
ピントの甘さやフレア、周辺光量の低下を気にせずに開放から使えるのもF4に抑えていることのメリットです。
また、製品名にあるようにEDレンズが採用されているのも画質の向上に寄与しています。
Nikonの300mmでF4前後のレンズは選択肢が少なく、オートフォーカスでは「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」(2015年1月発売)しかほかにはありません。
手ブレ補正のVR機構が搭載され、サイズも小さくなったのは大きな変化です。
しかし、300mm F4D IF-EDでも超音波モーターが採用されており、フォーカスの速さは大差がありません。
レンズの切れ味は今でも通用する実力を持ち、特に逆光に強いと評価の高いレンズです。