Linhof 220は、フィールドカメラの最高峰として知られるリンホフが創り出した非常に特殊なカメラです。
リンホフのカメラは実質的に世界標準規格となっているリンホフボードの4×5in判が有名ですが、このカメラは6×7㎝というサイズのフィルムを使用する中判カメラです。
6×7㎝以外にも220フィルムも使用することができますが、このカメラの特徴はこのフィルムのサイズではなく、他のカメラでは見ることのできない個性的な外観にあります。
本体の下についているピストルグリップが縦向きの撮影を可能とし、グリップを90度回転させると、横向きの撮影も可能となります。
設計の段階において、実際に使用することを想定し、考えて作られたことがわかります。
そして、等倍ブライトフレームファインダーには連動距離計とセレン式露出計が組み込まれ、パララックスを自動補正するように設計されており、カメラ自体の性能の高さは、さすが最高峰のカメラメーカーといわれるリンホフらしい仕上がりとなっています。
その奇抜なデザインで注目を集めたLinhof 220は、その特殊性からか市場に出回っている数は非常に少なく、中古価格も高い貴重なカメラとして知られています。
しかし、その奇抜な外観とは裏腹に描写力は素晴らしく、リンホフの技術力の高さを再認識させてくれる名品です。