かつて日本に存在したカメラメーカーであるレオタックスが、1947年に発表したカメラがLeotax Camera SPECIAL DⅢです。
レオタックスは、創業時よりライカのコピーを作っており、135㎜フィルムを使用するこのレオタックスシリーズは典型的なライカコピーのカメラとして知られています。
それまでのライカコピーは、ライカの特許を侵害しないように、ダイアルの位置を左右逆にするなど、細かい部分で異なるように作られていましたが、このカメラでは戦後にライカの特許が無効になったことにより、ライカIIIaを完全にコピーしているところが特徴となっています。
本家のライカとの違いは、ライカのアルミ合金製のボディが真鍮製となり、65gと若干重い点と、距離計の倍率が1.5倍のところが等倍となっている点です。
ですが、前モデルのLeotax Camera SPECIAL DIIでは対応していなかったスローシャッターにも対応するなど、コピーライカとしては非常に高い完成度を誇っています。
レンズは当時日本光学(現ニコン)と覇権を争った東京光学(現トプコン)のシムラー50㎜ F3.5という沈胴式のレンズが採用されています。
国産ライカコピーの最高峰として知られるレオタックスのLeotax Camera SPECIAL DⅢは、元になったライカのコンセプトの素晴らしさもさることながら、そのカメラ自体の完成度と写りの良いレンズ、そして流通量の少なさから中古市場において、高値で取り引きをされているカメラです。