PENTAXの歴史を語る上で、TAKUMAR 58mm F2は外せません。
1957年に発売された本レンズは、多くのモデルが販売される事になるアサヒペンタックスの最初のモデルになります。
本モデルからマウントをM42スクリューマウントに切り替え、ファインダーに五角形の形状をしたペンタプリズムを採用しています。
レンズ構成は4群6枚のガウス型とゾナー型の混合です。
絞りを挟んだ前半がゾナー、後半がガウスという混合タイプとなっておりますが、1950年代の国産レンズではこのようなガウス型の変形、あるいはゾナー型との混合は多くみられました。
その理由の1つとして挙げられるのが、ゾナー型よりも色収差が少なく、カラー撮影がしやすいということが挙げられます。
TAKUMARシリーズは、ボディとの連動機構は一切なく、プリセット絞りのマニュアル操作となっています。
MFに慣れていない人は、最初こそ戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとカメラを使っているという実感が湧いて来て病みつきになります。
マウントはM42スクリューマウントのため、PENTAXのねじ込み式マウント採用カメラ以外で使用する場合は、マウントアダプターとミラーレス一眼を組み合わせれば撮影が可能になります。
カメラボディ側との連動機構が無いせいか、見た目はシンプルでスッキリとした印象を受ける逸品です。
このモデルを皮切りにPENTAXは名品と呼ばれるレンズを世に送り出してきたと考えると、歴史的に非常に価値の高いレンズと言えます。