「AI NIKKOR-S Auto 5cm F2」は、Nikonが1959年に発売したレンズです。
かつてはNikon Fの標準レンズでした。
レンズ構成は4群6枚と凹レンズの計7枚でできており、レトロフォーカスタイプとなっています。
この工夫によって、当時は55ミリや58ミリが多かったレンズに、50ミリという新風を巻き起こしました。
このレンズはしっとりとした色味が魅力で、リアルに被写体を再現したい場合にとりわけおすすめできます。
均質性の高い像が得られるのが特徴のため、どちらかといえば建造物などを撮るのに適しているかもしれません。
欠点といえる部分は少なく、あったとしても味として解釈できるものが多いため、発売から60年のときが経つ今も現役で使用して差し支えないレベルのクオリティです。
ピント合わせはMFなので、フォーカスは自分の目を信じて行います。
こちらはかなりレトロなレンズではあるものの、同社のFマウントで作られているため、同社のカメラなら最新の一眼レフモデルにも装着可能です。
ただし、多くの機種でAI改造を必要とするため、面倒に感じる場合は改造を必要としないD70やD3000といったカメラを使用するのもひとつの方法です。
カメラやレンズにそれほど詳しくない人も、一度撮影してみればその写りの良さから本レンズを忘れられなくなるでしょう。