Distagon F 50mm F2.8は、スウェーデンの老舗カメラメーカーであるハッセルブラッドによって1977年に発売された広角単焦点レンズです。
ハッセルブラッドの各種レンズシリーズのなかのFシリーズにあたり、レンズシャッターを搭載していないため、500シリーズといったレンズシャッターでは使用することができず、2000や200シリーズといったフォーカルプレーンシャッター方式のカメラでのみ使用可能です。
このレンズの最大の特徴が、巨大なボディで重量はなんと1200gもある重量級のレンズです。
従来のCFシリーズではレンズシャッターが搭載されている分、暗くなる傾向がありましたが、このFシリーズではそれが克服され従来よりも数段明るい開放F値を得ることに成功しました。
レンズはカール・ツァイス製のレンズで9枚構成、最短撮影距離は0.3mで、フローティングレンズシステムを採用しているため、近接撮影時においても画質が劣化することがありません。
写し出される画像は非常にクリアで諧調豊かな描写が特徴で、数段絞り込むことでシャープになり、さらにその表現力に磨きがかかります。
50mmという焦点距離のレンズのなかでは超弩級といえる存在感を放つDistagon F 50mm F2.8は、ただ大きいだけではなく、その大きさに見合った素晴らしい描写を約束してくれる銘玉です。