カール・ツァイス「ゾナー」は、1929年にツァイス・イコンのルートヴィッヒ・ベルテレがエルノスターの改良を続けて発明されたカール・ツァイスのレンズです。
「ゾナー」の名前の由来は諸説ありますが、ツァイスの工場があった都市名「ゾントホーフェン」から来る説と、ドイツ語で太陽を意味する「ゾンネ」から来ている説があります。
「ゾナー」シリーズのレンズ構成であるレンズ枚数の少ない割に群数の少ない構造はレンズコーティング以前の時代にあった反射率の高い空気、4群6枚のダブルガウス型より好まれ、レンズの大口径化への開発も進められました。
2006年にソニーから発売された「Sonnar T* 135mm F1.8」の特徴は、何といっても135mmの中望遠でありながらF値1.8の明るさを持った単焦点レンズであることです。
Aマウントには単焦点レンズで人気のラインナップが豊富で、当レンズもまたその一つとして人気の高いレンズです。
8群11枚のレンズ構成でF値1.8からも分かるように、非常に明るい写真を撮ることができる上に、中望遠の独特のボケ味を楽しむことができます。
通常、人物を被写体とした撮影では、単焦点レンズの特徴でもある「焦点距距離が短いほど奥行きが構図の中に含まれてしまい、被写体の顔が収縮されたような描写になる」ことが起こります。
しかし、135mm F1.8は、被写体を鮮明に写し出し、大きく柔らかいボケ味を表現しながらほとんど歪みのない描写を実現します。
このボケ味は135mm F1.8レンズの一番の魅力であり、被写体深度の薄さが背景や手前の被写体もとろけるようにボカしてしまう描写性能は唯一無二の製品です。