S-PlanarT*60mmF2.8AEG は、CONTAX用として開発されたCarl Zeissのレンズです。
この「S-Planar」とは「Makro-Planar」の前のシリーズに位置しています。
レンズ構成は4群6枚構成と基本構造をベースに、マウント部分にも拘りを感じる内面反射を抑えた3層のテレスコピックとなったデザインを採用。
絞りはF2.8と60mm標準マクロレンズのなかでも明るく、等倍撮影ができます。
最短撮影距離が24cmまで接写が出来るので、様々なシーンに応用できる設計となっています。
レンズの特徴としてマクロなので画角もワイドで被写界深度が深く、望遠レンズとは違って圧縮効果も少ないため、背景のボケ効果を狙うよりも、より接写して被写体の質感や躍動感を写し取ることに向いています。
たとえば川面が流れる岩肌の表情などの場合、とてもリアリティがある表情を再現してくれます。
被写体と背景のコントラストもメリハリがあり、階調表現もとても豊かです。
中古市場においては、初期に発売された黒マウントが構造も複雑でよりプレミアムな人気がありますが、その後発売された白マウントのシリーズの方が値段も安く、新しいので使い勝手としては、ほとんど差はないはずです。
ユーザーからの根強い人気に支えられたこのレンズは、使い勝手の良い銘玉として、今後も長く活躍してくれる魅力ある1本です。