コンタックスにはこれまで5本ほど記念レンズと呼ばれるものが存在しています。
そのうちの一つが、今回紹介する「Planar T* 55mm F1.2 MMG 100周年記念モデル」です。
1996年に発売されたヤシコンツァイスの希少レンズとなります。
このPlanarにはもう一つ85mm F1.2という記念レンズもあります。
55mmと85mmに関してはツァイスの技術の粋を結集して作られた特別なレンズで、単に記念レンズと呼ばれるものにはとどまらないレンズです。
そのせいもあって、Planar誕生100周年を記念して作られたレンズというだけでなく、1,000本という限られた本数しか生産されませんでした。
このレンズもF1.2という明るさを確保するために、単焦点レンズながら大口径のレンズとなっています。
とはいえ、取り回しに苦労するほどのものではなく、現在のズームレンズと見紛う程度の大きさがあるということです。
写りですが、F2.8あたりまで絞ると合焦した部分のシャープさと背景のボケが非常にバランスよく写り、特別なレンズであることを実感させてくれます。
F1.2の開放で撮ると、ややボケがうるさい感じになります。
また被写界深度が極端に浅いので合焦しているのに、甘く独特な写りになります。
F8まで絞ると全体が非常にシャープな写りになり、シャドー部からハイライトまで美しい階調表現をします。
わずか1,000本しか生産されなかったので、当時でも入手は困難だったようですが、中古市場でも数は多くなく、また、73万円という価格がついたこともあり、高価格で取引されています。