Distagon T* 35mm F2 ZSは、カール・ツァイスが2007年に発売したM42スクリューマウントの大口径単焦点広角レンズです。
M42スクリューマウントはオールドレンズの代表格ともいわれており、その構造によるマウントアダプター製造のたやすさから、さまざまなマウントアダプターが存在します。
マウントアダプターを使用せずにこのレンズを使えるカメラとして代表的なものは、ペンタックスのフィルム一眼レフのペンタックスSPや、コシナのベッサフレックスTMといったカメラがあります。
そして、マウントアダプターを使用することで、ソニーのα7といったミラーレス一眼や、ペンタックスKマウントのカメラにも使用できます。
フォーカスはMF専用で最短撮影距離は0.3mとなっており、近接撮影から遠景までさまざまな距離での撮影を楽しむことができます。
その描写はシャープで発色が良く、滑らかなボケも相まって、繊細な描写の中に柔らかさの同居した、質感豊かな描写が魅力です。
また、最小限に抑えられたディストーションや、レンズに施されたT*コーティングによるヌケのよいクリアな描写など、基本的な性能においても、非常に高いレベルでまとまっています。
M42スクリューマウントとMFによるフォーカシングにより、古き良きオールドレンズの醍醐味を味わうことのできるDistagon T* 35mm F2 ZSは、オールドレンズの入門としてもおすすめできる、優れたレンズの一つです。