
1990年に発表された Distagon T* 35mm F1.4 MMJは、ドイツの老舗光学機器メーカーのカール・ツァイスが誇るMFの逆望遠型の広角レンズです。
1986年からドイツで製造されていたDistagon T* 35mm F1.4 MMGが、ヤシカによって日本国内で製造された際に、MMJと名称を変えて発売されました。
MMシリーズはAEシリーズと比べてカメラ側のすべての露出モードに対応可能で、非球面レンズとフローティングシステムによって、近接撮影でも画質劣化の少ない繊細な描写が特徴です。
レンズマウントはY/Cマウントで、コンタックスの一眼レフフィルムカメラをはじめとした機種に対応します。
シャープさはドイツ製のMMGに若干劣りますが、十分にキレのある描写は、ツァイスのレンズらしさを感じることができます。
また、色の再現性はMMGよりも優れており、写真家のなかには人気のあるドイツ製のMMGではなく、あえてこのMMJを選ぶ人もいるほどです。
広角レンズでありながら、素晴らしい描写力を誇るDistagon T* 35mm F1.4 MMJは、遠景の風景撮影はもちろん、最近接距離0.3mという近接性能で被写体に限りなく寄った撮影ができるなど、非常に汎用性の高いオールマイティーなレンズです。
その描写は、今なお多くの写真家を魅力しており、中古市場においても高値で取り引きされています。