
1986年に発売されたDistagon T* 35mm F1.4 MMGは、カール・ツァイスのディスタゴンタイプのMF広角レンズで、カール・ツァイスの本拠地であるドイツ国内で製造されたモデルです。
マウントシステムはY/Cマウントでコンタックスの一眼レフカメラで使用できます。
レンズ構成は8群9枚構成で、一群のレンズがほかのレンズと異なる動きをすることによって、画質の劣化を抑えるフローティングシステムや非球面レンズを取り入れており、近接撮影においても画質の劣化を極限まで抑えることに成功しています。
そのため、このレンズの最近接距離となる0.3mでの撮影でも、劣化のない非常に繊細な描写が可能となっています。
描写はカール・ツァイスのレンズらしく、非常にシャープでやや暖色の強い温かみのある色味が特徴で、絞り解放でも切れのある描写力に高い評価を得ています。
このDistagon T* 35mm F1.4 は製造時期によってAEG、MMG、MMJの3種類が存在しており、性能面ではMMGとMMJが拮抗していますが、MMGのほうが若干シャープさに優れています。
その広角レンズとは思えない、高い描写性能で多くの人を魅了するこのオールドレンズは、その本数の少なさもあいまって、中古市場でも手に入れることが難しく、高値で取引されている希少なレンズです。