TOPCON HORSEMAN 985は、1973年にトプコンホースマンプレス・VHシリーズとして発売されたテクニカルカメラです。
HORSEMAN980をマイナーチェンジした製品で、より使いやすさを追求した大判カメラです。
前蓋のストッパーの金具がL字形に変更されており、アオリの自由度をさらに高めることを実現しました。
その一方で、軍艦部の横面にあったレール状の専用レリーズの固定金具が取り除かれたことで、のっぺりした地が露出しています。
ちなみに、同年代に登場しているブラックボディではこのレールが復活した事実があります。
当初電磁レリーズグリップのみに一本化した施策が不評であったことを意味しています。
標準レンズとしては、SUPER TOPCOR 90mm F5.6が採用されている点にも注目で、アオリ機能を駆使して撮影を楽しめます。
広角なレンズですので、さまざまなシーンを容易に撮影できます。
また、フォーカシングをしやすいのも評価できる点で、特に一瞬のシーンを逃せない撮影時にその威力を発揮します。
重量的には決して軽くはありませんが、これが逆に高級感を感じさせます。
堅牢性に優れ、特に落下させたときでも壊れにくい点もうれしい特徴です。
その革新性から少なからずの不評もありましたが、名声に満足することなく新たな一歩を踏み出したカメラとして評価できます。