1988年に発売されたHasselblad 503CXは500Cシリーズの500C、500C/Mに続いて登場した機種です。
ロングセラーだった500C/Mをマイナーチェンジして作られました。
フルマニュアルのレンズシャッター機で、ボディ内部は、植毛タイプのパルパス材が使用されており、これまでの500Cシリーズよりも内面反射がより抑えられる工夫がされています。
また、TTLストロボ機能を内蔵しているため、自動調光が可能になりました。
そして、新型のフォーカシングスクリーンが標準採用されたことにより、以前のシリーズと比べると、映像が明るくビントが合わせやすくなったことが503CXの一番の魅力です。
性能の良さはもちろん、ロゴと機種名の表示が浮き彫りに変更され、革張りのクロームメッキが独特の存在感のあるスタイリッシュさも魅力の一つ。
Vマウントでシリーズ共通のレンズが使用でき、フィルムバックも同シリーズで互換できます。
このカメラならではの浅いシャッターストロークがもたらす独特なシャッター音はたまらない音色です。
被写体が今にも動き出しそうな躍動感に溢れるHasselbladならでは描写力は、全機械式で小難しさもありますがよりこだわりのある写りを創作できるうえで完成度の高いカメラだと言えます。
中古市場でも年式の若い503CXは経年のダメージが比較的少ないフィルムカメラですので、まだまだ活躍できる需要の高い機体です。