2009年に発売された FUJIFILM FUJI GF670 Professionalは、6×7判の中判レンジファインダーカメラです。
かつて70~90年代頃に作られ評価の高かったGA645シリーズ等の様な蛇腹式の中判フィルムカメラを現在の技術によって更に進化させ再び誕生させたモデルです。
このカメラは、蛇腹フォールディングタイプのカメラでありながらシャッター速度を4秒から1/500秒まで制御できる電子制御式のレンズシャッター式です。
最新の技術で改めて再設計されたレンズは4群6枚構成のガウスタイプであるEBC FUJINON 80mm F3.5。
フジノンレンスの絶妙なコントラストや彩度、シャープで美しい描写をF3.5~F22までの絞りで捉え、幅広い画角で表現することができます。
また、SPD受光素子を用いた中央重点測光では、測光値を正確に表示してくれるのもこのカメラの特徴で、感度はISO25から3200まで設定可能です。
感度の低いフィルムから増感現象にいたるまでこだわりの設定ができるのも嬉しい点です。
基本的には6×7判のカメラでありながら、この一台で6×6判にも対応します。
カメラ本体の裏蓋を開けるとスイッチがあり、それを操作するだけでファインダーのフレームや枚数表示も簡単に切り替えることができます。
120フィルムでプラス2枚、220フィルムでプラス4枚多く撮れるのもありがたいのですが、何より6×6判のスクエアフォーマットが表現する芸術的な構図が楽しめる点が魅力です。
距離計連動による二重像合致式でのピント合わせも精度が高く、ボディは堅牢かつ軽量なアルミダイカスト製の信頼できる一台です。
プロも認める性能と、入門者でも扱いやすいシンプルな操作性、コンパクトで携帯性にも優れています。
2009年のグットデザイン賞を受賞しており、デジタル化される現代に敢えてフィルムカメラに立ち戻り高いクオリティを達成したことで名実ともに評価をされたのです。
近代的な要素を兼ね備えたGF670 Professionalは、より中判写真を本格的に堪能できる一台です。
限定で僅か5000台しか発売されておらず、現在では中古のみでの入手に限られており常に高値で取引されています。