1981年に日本の木製大判フィルムカメラ専門のメーカーであるEBONY(エボニー)が発表したEBONY WIDE45は、フィールドカメラとして携行性を重視して開発された、ハンディータイプのビューカメラです。
社名でもある「EBONY」は日本語に訳すと「黒檀」という意味で、その名のとおりエボニーのカメラには黒檀が使用されたものが数多く存在します。
EBONY WIDE45もその例に漏れず、厳選された黒檀を使用し、職人の手によって丁寧に作られています。
本体重量は1370gと非常に軽量ながら金属部分はステンレス製となっており、黒檀製の木製部分と相まって高級感と非常に高い剛性を備えています。
あおり機能は、前枠ライズが55mm、フォール15mm、シフト左右各55mm、センターティルトは前後に各20度、スイング左右各45度、繰り出しは104mmとなっています。
また、後枠ティルトは前後各12度、スイング左右各5度で、ハンディーカメラらしく左手側にハンディーベルトが付いていることが特徴です。
その軽快さと非常に高い耐久性で何処へでも持っていけるEBONY WIDE45は人気の高さから、のちにチタンを使った高級モデルのNEW WIDE45が発表さされることになります。
残念ながらエボニーは2016年に廃業してしまいましたが、その素晴らしい製品は今なお多くの写真家から高い評価を受けています。