1986年に発表されたEBONY SV45Tiは、日本にかつて存在したカメラメーカーのEBONY(エボニー)が創り出した4×5in大判フィルムカメラです。
また、同社が誇るSVシリーズの原点でもあります。
EBONY SV45Tiの特徴は、EBONYのカメラの多くで木製部分に黒檀の柾目(まさめ)が使用されているのに対して、マホガニー材が使用されていることです。
マホガニーは高級感や堅牢性では黒檀に比べ若干劣りますが銘木のひとつとされ、現在では大変貴重な木材となっています。
そしてこのマホガニーのボディは、黒檀の黒くソリッドなボディとは異なり温かみのある表情が特徴で、年月が経つにつれてさらに味わい深い風合いに変化していくという魅力があります。
金属部分はチタン製のため総合的な耐久性は、ほかのモデルと比べても遜色ありません。
そして、EBONYのフィールドカメラの特徴でもある組み立て不要な構造とラックアンドピニオン式の三段伸縮レールが採用され、あおり機構も十分な性能を有しているため、厳しい環境で撮影を行うプロの要求にも応えることが可能です。
EBONYの大判フィルムカメラでは異色ともいえるEBONY SV45Tiは、黒檀にはない独特の外観と持ち前の高い完成度によって現在でも非常に人気の高いカメラとして、中古市場で高値で取引されています。