1989年に日本のカメラメーカーのEBONY(エボニー)から発表された4×5inの木製大判フィルムカメラがEBONY SV45TEです。
このカメラが誕生する3年前の1986年に発表されたEBONY SV45Tiを踏襲したモデルで、マホガニー製の木製部分が黒檀の柾目(まさめ)に、ステンレス製だった金属部分がチタン製へと変更されています。
最大の特徴は、やはり従来のモデルから、EBONYのシンボルでもある黒檀とチタンのボディーにグレードアップされたことです。
この変更によって本体重量がSV45Tiの2100gから2700gへと増してしまうことになりましたが、それ以上の美しさと耐久性を手に入れました。
そしてもうひとつ、後枠に今までにない画期的なあおり機能を取り入れており、広角レンズ使用時でもべッドダウンすることなく撮影が可能になっているなど、従来よりもあおり機能が強化されていることも特筆すべき点です。
また、使用可能なレンズも35mm~800mmと非常に幅広い焦点距離のレンズを使用できます。
コンパクトな設計と、黒檀とチタンが織りなす優れた耐久性と精度を兼ね備えたEBONY SV45TEは、まさに日本の職人のモノづくりに対するこだわりを感じさせる逸品です。
その堅牢性は今でも健在で、中古市場で売られている個体も歪みがなく、現役として十分に活躍できるカメラです。