4×5in木製大判フィルムカメラのEBONY RSW45は、数あるエボニーのカメラの中でも特殊なモデルで、EBONY SW45をベースに、海外限定で販売されたビューカメラです。
当時のビューカメラは組み立て式が多かった中で、このエボニーのビューカメラは組み立てが不要ですぐに撮影が可能なことで知られています。
ビューカメラとして軽量かつコンパクトなボディをコンセプトに開発されたため、フロントのライズとフォール、ティルト以外のあおり機構が省略されていますが、前後に20度、ライズは60mm、フォールは25mmと十分なスペックを備えています。
構造をシンプルにしたことで、1500gと非常に軽量で携行性に優れたボディを実現しています。
また、可動部の少ないシンプルな構造は、EBONYの大判カメラの特徴である黒檀の柾目(まさめ)を使用した木製部分と、チタン製の金属部分とで構成されたボディと相まって、非常に高い堅牢性を誇ります。
EBONY RSW45は海外向けに発表されたため、日本で発売されることはありませんでした。
そのため、このカメラは現在でも日本国内に現存する数が非常に少なく中古市場でもほとんど見ることができない希少なカメラです。