タチハラと人気を二分した国産カメラメーカーであるEBONY(エボニー)は、数多くの木製カメラを世に送り出しました。
その中の一つであるEBONY23 STiは、6×9判の120フィルムを使用するフィールドタイプのビューカメラです。
同メーカーの4×5in判カメラであるEBONY 45S Tiをベースに開発されました。
ボディの木製部分にはEBONYの象徴ともいえる黒檀の柾目(まさめ)を使用し、金属部分には高級素材のチタンが使われています。
黒檀のずっしりとした存在感とは裏腹に、チタンを使用することで軽量化を図っているため、優れた耐久性にもかかわらず重量は1800gと非常に軽量です。
そして、ビューカメラにもかかわらずカメラを組み立てる必要がないことも特徴で、すぐに撮影をすることができる軽快さは軽量なボディと相まって非常に高い機動力を発揮します。
また、あおり機構にはセンターティルトを採用しており、ピント合わせやフレーミングを容易に行えることも評価できるポイントといえるでしょう。
エボニーの黒檀とチタンが醸し出す重厚感と独特の雰囲気を中判フィルムカメラで味わうことのできるEBONY 23S Tiは、小型・軽量ながら非常に高い耐久性と完成度を誇ることから、今でもプロをはじめ多くの写真家から高い支持を得ているカメラです。