“ヤシカが京セラに吸収されて間もなくの1982年頃、35mmフィルム一眼レフカメラContax RTS IIが発売されました。
往年のContaxユーザーには思い入れのあるモデルのひとつではないでしょうか。
Contax RTSシリーズとして、初代RTSの改良版である2代目のモデルです。
マウントはY/Cマウントで、カール・ツァイスのレンズを楽しめるカメラとして洗練された精度と操作感を持つカメラです。
RTS IIは従来のContaxとは異なり、機械式だったセルフタイマーが電子式になるなど、いくつかの機能が改良されています。
ほかにも、ボタン位置などRTS II以前の機種からの細かい変更がいくつか挙げられるが、布製であったシャッター幕が金属製に変化したのは最も大きな変化です。
シャッタースピードは最高1/2000秒で、シャッターダイヤル部分の絞り優先AEではロックがかかるようになっています。
RTS IIは、ボディデザインなど外見的な要素は従来の初代から大差はありませんがシャッター膜の金属化も含めて堅牢で信頼性の高いモデルとなりました。
初代ではまだ製造技術が追いついておらず配線が複雑で不具合の要因となっていましたが、RTS IIでは電子基板化されたフレキシブル基板となり、より安定しました。
また、電子シャッター故に電源切れの際に動作しなくなるという欠点を補うために、あえて機械式シャッターを緊急用として搭載しプロカメラマンにも評価されました。
初代から改良された機能を多く盛り込み、一方では巻戻しなどは手動ノブが健在であり、手動の魅力も味わえるのもよい。
当然ながら、中古でなければ入手は不可能なうえに若干の修理を要するモデルも多いのですが、それでも市場に出ると買い手がつきやすい人気機種のひとつです。
発売当時から愛用しているユーザーも多く、一旦手放したものの再び手にしたいユーザーも少なくありません。