1975年に発売されたContax RTSは、ヤシカ・コンタックスの代表的な高級一眼レフカメラです。
Contax RTSシリーズとして、RTS・RTS I・RTS IIの3台が展開されました。
マウントはY/Cマウントで、カール・ツァイスの銘玉の持ち味を最大限に引き出せるカメラとして洗練された精度と操作感を叶えたカメラです。
Contaxのなかでも特別感のあるカメラで、ヤシカとカール・ツァイスが業務提携した時期の製造であるとともに、美しい筐体はポルシェのデザインで洗練された品格のある出で立ち。
スポーツカーとカメラとは意外な組み合わせのようではあるが、工業デザインのプロに発注したという点ではこだわりの逸品と言えます。
重量は700g強と少々ずっしりとしていますが、特別重くて大変だという程でもありません。
Contax RTSの基本スペックは、シャッタースピードが最速で1/2000秒、マイクロプリズム式ファインダーを採用し、視野率は約93%、倍率は約0.87倍。
シャッターボタンはフェザータッチと呼ばれるに相応しいストローク0.7mmで、少し触れるだけでシャッターが反応し撮りたい瞬間を意のままにできる点も魅力です。
Real Time Systemである事をコンセプトにして名付けられたRTSという名称の通り優れた操作性と高い描写力を実現しています。
なかでも絞り優先AEの導入は、1975年当時としては他に類がなく秀でた技術であったことを物語ります。
1975年と50年ほど前の機体ですので完動品の入手は困難ですが、歴史的に価値が高くコレクターに人気の希少なカメラです。