Contax AXは、京セラがContaxから撤退する少し前の1996年に登場したオートフォーカス一眼レフカメラです。
時代はデジタルカメラに路線変更を図りつつある時期でもあり、発売のタイミングの悪さを感じてしまうカメラです。
マウントはY/Cマウントですが、Y/Cマウントのレンズはすべてです。
Contax AXはマニュアルフォーカスのレンズをそのまま使用してオートフォーカスを行うのです。
その仕組みは『バックフォーカス式AF』といい、レンズの光学系を動かさずフィルム面のイメージサークルを動かすことでピントを合わせるのです。
純粋なAF機に比べるとフォーカシングが物足りないといったところもありますが、MFもできるのでギリギリまでマニュアルで合わせていって最後にAFで決定するといった操作で鋭い合焦を得ることもできます。
基本的なスペックを説明すると、実際にダイヤルに刻印されているのは1/4000秒だが、絞り優先AEに設定すると最速1/6000秒になります。
測光方式はTTL中央重点平均とスポット測光が採用され、シチュエーションに応じて自在に切り替えが可能です。
シャッターは上下走行式のフォーカルプレンシャッターを採用しています。
ファインダーにはペンタプリズム固定式一眼レフファインダーを用いており、視野率は約95%と特に問題ない範囲。
ボディのフォルムがやや丸みを帯びている点は、直線が多いContaxのコンパクトカメラとは対照的な印象ですが手にホールドしたときのフィット感があります。
Contax AXは重量が1000gを超えることから、重さを気にするユーザーも見受けられるのですが、撮影時の安定感を得られる点ではメリットと言えるでしょう。
Y/Cマウントの一眼レフカメラの中でも唯一のオートフォーカス機であるContax AXは一味違った感触を楽しめるカメラです。