1994年に発表されたContax RXは、その2年前に発表されたContaxの高級機であるContax STが高価で需要が伸びなかったために、その廉価版として開発された京セラの中級フィルム一眼レフです。
その特徴のひとつが、STと違いフォーカスプレーンシャッターを採用していることです。
その結果、信頼性は向上しましたが、STの最高1/6000秒というシャッタースピードから1/4000秒に低下することになってしまいました。
しかしシャッタースピードでは、STより劣っていますが、独自に進化した点も多々あります。
まず、ひとつがDFI(デジタル・フォーカス・インジケーター)を搭載したことです。
これは、レンズの絞りに合わせて被写界深度が表示されるという機能で、STにはなかった機能です。
また、マニュアルシャッターの長時間露出が従来の1秒から4秒と、より長時間露出が可能になりました。
そして、Contaxの中級機では初めてメーターボタンを搭載したことも注目すべき点で、これによって従来よりも操作性が格段に向上しています。
一眼レフのオートフォーカスへの移行期ともいうべき時期に登場したContax RXは、CONTAXがオートフォーカスへ移行するための実験機ともいうべき側面も持っているカメラです。
いくつかの革新的な機能を取り入れたこの機体は、一眼レフの進化の過程を感じることのできるカメラです。